保育士資格の取得に4年制の大学をおすすめする理由

エッセイ

大学や専門学校、短大などに通って保育士資格を取ろうと考えている高校生には、4年制の大学へ行くことをおすすめします。

私自身4年制大学を卒業しており、メリットが大きかったなと感じています。どうしようか悩んでいるのなら、そして選べるのなら、4年制の大学を選んでほしいです。

現在の高校生以外にも、将来保育士資格又は幼稚園教諭資格を取り、保育士や幼稚園教諭になろうとしている人へお届けしたい内容です。

※ちなみに保育士資格は独学でも取得可能です。社会人になってから勉強して試験に挑めば取得できます。科目数が多く難しいため、2~3年かかる人が多い印象です。(もちろん一発合格で取れる人もいます)

【理由1】将来本当に保育士・幼稚園教諭になるかはわからない

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保育士資格の取得は2年間の短大や専門学校、3年間の専門学校、4年間の大学と、大きく分けて3つから選べます。

2年間で保育士資格を取っても、4年間かけて取っても、同じ保育士資格です。

早く働きたい気持ちや、結局取れる資格が同じならと、2年や3年の学校に行く人もいると思います。ですが4年制大学に通って良かったと、今痛感しています。

なぜなら、私は保育士を辞めたからです。

転職を考えた時、様々な企業の説明を読みながら、「大学卒業以上」の文字を見つけました。

大学を出ていないと、就職できない企業がある、とそのとき気が付いたのです。

もちろん、小さなころからの夢で、一生食べていく仕事として、保育士を選んだつもりでした。でもそれは、叶いませんでした。

資格を取ったからと言って、必ずしも一生保育士の仕事をしていくかどうかは、誰にもわかりません。1年務めるか、3年務めるか、30年務めるのか。

転職の際に、大学卒だとそれだけで選べる企業の幅が広がります

【理由2】学生時代に心変わりすることもある

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私はもともと、小さい時から幼稚園の先生になりたいという夢があり、幼稚園教諭一種が取得できる大学を選びました。

ずっと夢だった幼稚園の先生に、絶対になると思っていたし、そのまま幼稚園の園長先生になって一生その仕事で食べていくんだと、その当時は思い込んでいました。

※幼稚園教諭の資格は二種類あり、一種と二種があります。二種は短大・専門で取得でき、一種は4年制の大学でしか取得できません。園長になるには一種が必要です。

正直当時、保育士資格は、おまけ程度にしか考えていませんでした。

でも、そもそもおまけ程度にしか考えていなかった保育士に、結局私はなりました。保育園に就職し、5年間働いたのです。

大学で4年間、保育や教育について学んでいるうちに、保育園に通う子供たちに寄り添いたい、その保護者の支援がしたいと考えが変わっていったためです。

実習やアルバイトで保育園の現場を見たことも、大きく影響しています。0歳から2歳の子どもたちがとても可愛かった。

4年間の大学生活の中で、0歳から卒園する6歳まで、成長を見守ることの出来る保育士という仕事にとても憧れていきました。

4年という時間は、自分の数十年抱えてきた夢さえも大きく変える可能性がある時間だということです。

実際、保育とは全く関係ない仕事を目指していった友人も、大学にはいました。

大学を出るともらえる「学士」という学位。もし心変わりがあっても、方向転換しやすいですよ。

【理由3】4年制大学卒だとお給料が良い場合も

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就職先によって様々ですが、大学卒と短大卒、専門卒で、初任給に差をつけている園もあります。数千円~数万円程度かもしれませんが、大卒の方が高いことが多いです。

就職が短大卒の人たちに比べて遅くなる点が大学卒は不利ですが、給与に関して損することは無いように思います。

また保育士のなかでも、公立の保育士はお給料も良く、魅力的な就職先の1つです。

大学にいると、公立を目指す学生がとくに多いように感じました。

実際に合格した人もたくさんいます。就職のための対策もしっかりしてくれるので、手厚さの面からみても、大学で良かったな、と思います。

もちろん短大や専門が悪いということでは決してありません。

私の先輩には短大卒や専門卒の先輩がいましたが、良い先輩もいれば変わった人もいました。

結局個人の能力、性格なので、職場の中で大卒だからどうこう、ってことはとくにありません

【番外編】保育から一般職への転職は心が折れる

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学校で保育や教育を学ぶ内に、「やっぱり自分はこの道ではないかもしれない」と気が付く場合もあります。

私自身、在学中に何度も心が折れて、保育以外の仕事を探した時期もありました。大学を辞めることも検討したくらい。

そして現在「大学卒」というだけで、就職先の選べる幅がぐっと広がることに気が付きました。

正直、保育の学校を出ていると、保育園や幼稚園など以外の一般企業への就職は、難しいと感じる場面が多々出てきます。

保育士を辞めようと転職活動していたとき、興味があるなと思う職種、業種、そして会社情報を見ながら、「応募資格」の欄で心が折れました

保育園でPCも使ってはいるけど、ワードやエクセルの最低限のことしかできない。それ以外のソフトの名前は聞いたことも無い。

さまざまな「○○資格」は、もちろん持ってない。

ただ、大学を卒業しているだけで、「大学卒以上であること」の項目はクリアできるんです。

有名大学では無くても、大学で学んだという事実を評価して、ひとまず選考をしてくれる企業がこの世にはある。と知りました。

そうすると、ここも受けられるし、ここもどうかな…と転職の幅が広がりました。

もちろん、だからって絶対に転職がうまくいくとかそういうことではないです。あくまでも、視野が少し広がるというだけ。

大学生活はものすごく有意義だった

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周囲の意見を押し切ってでも、大学を受験することを選んだのは間違えてなかったな、と現在は思えます。

しかし、奨学金借りながらバイトしながら学校通うのめっちゃきつかったです。今もずーっと返済してます。

でも、そのしんどさが拭えるくらい、有意義でした。大学生活で保育関係以外の友人ができたりサークル活動したり、大切な恩師に出会えたり保育科の仲間と切磋琢磨したり。

教授陣が優秀で、嫌いだった図工や美術、体育も好きになれました。

辛い時もあったけど、無駄なことは1つもない4年間でした。

【まとめ】4年制大学で保育士資格を取るメリット・デメリット

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メリット

◎一生保育・教育で食べていくなら大学で学んで資格を複数取れる(保育士・幼稚園教諭一種)

◎小学校教諭がとれる大学もある

◎給与面で若干プラスが見込める

◎そもそも本当に自分が保育の道に進みたいのか時間をかけて見極められる

◎一般職に切り替えたときに、道筋が増える

◎大学で出会える他学科・学部、サークルの友人が出来る

◎就職に向けてじっくり対策できる(公立も目指しやすい)

など

デメリット

◎お金がかかる

◎2年や3年卒の人より就職が遅くなるので、タメの先輩や年下の先輩が就職先にいる場合も

タメや年下の先輩とかは、社会人になると当たり前によくあるので、慣れます。働いてるとすぐに年上の後輩とかもできます。正直、なんとでもなります。学生のころよりも、細かい年齢ってそんなに気にしなくなり、どれだけ仕事できるかの方が、評価される対象になっていく気がします。

選べるのなら大学にぜひ行ってほしいなという話でした。よく調べ、実際に学校を見学し、慎重に選ぶことをおすすめします。

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